耕作放棄地

[ 2009年5月24日(日) ]

宇部で養鶏をしている友人からメールが来た。彼は議会議事録専門の会社を経営していたのだが、私とのご縁から会社を辞め、宇部の山奥で鶏の平飼を始めてしまったのだが、周りの耕作放棄地の大草に頭を抱えている。

彼は農家になるために、荒れていた田圃を高いハードルをいくつも越えて購入し、立派な鶏舎を建築して、ゼロから養鶏を始めたのでした。10年前はまだ稲作をされていた農家もあったのですが、今では周りは殆どが耕作放棄地となってしまったそうです。問題は、生い茂る大草です。柵で鶏舎を囲っていますが、猪などの獣が毎晩出没してきます。鶏の安全ということからも草刈が必須条件となります。

刈ってくださいとお願いしようにも地元に地主もおらず、仕方なく友人が自分のお金で機械を購入して燃料と時間をかけて毎日毎日、草刈をしているのです。他人事のようなことを書いていますが、近い将来、自分たちの地域でも問題になってくることは間違いありません。中山間地等直接支払制度が本年で終わろうとしていますが、制度だけでは追いつかない現実があります。草を刈る人がいなくなる現実。

私は生産物に直接支払う補助制度が望ましいと思っていますが、現実の耕作放棄地対策をどうするのか、真剣な議論が必要です。和牛農家の育成を兼ねて、牛の放牧も効果が期待されていますし、成功事例もでてきています。地域の農業政策は地域で考えて実施すべきです。北海道から沖縄まで管轄する農政はおかしいとしかいえません。ダムとしての機能を言うのであれば、環境税も必要でしょう。

先ず、このままの農政を続けていくのか?政府に任せていていいのか?農政を語るのであれば、最低1週間の農業研修を国会議員に義務付けるくらいのことをする必要があります。毎日、草刈をしてもらいましょう。