危ういチップ発電の大型化

[ 2014年4月5日(土) ]

私は日本政府が本気で再生可能エレルギー政策を行っているとは、到底思えない。一部の資本家が、太陽光が良いと言えば太陽光発電導入に走り、風力が良いと言えば風力発電を推進する有様だ。

ドイツの現在の再生可能エレルギーによる年間発電量(全体の12.4%を占めている)は、バイオガス発電では、49,000ギガワット、風力発電45,900ギガワット、太陽光発電27,900ギガワットです。その殆どが、市域住民が主体となって運営している小規模なものなのです。世界最大規模のバイオ発電所は閉鎖されました。材料が集まらないことと、売電価格が大幅に下がったからです。

今の日本では雨後の竹の子状態で木質バイオマス発電所が作られていますが、私はその将来性は非常に危ういと感じています。皆さん考えてみて下さい。どうして発電所を山の中に作らないのでしょうか。どうして沿岸部に建設するのか、それは、将来的に国内の材料が調達できない時には外国から仕入れるつもりだからです。山から木を伐り出しても次の苗木は植えない山が殆どということをどう考えますか。

ドイツ国内には500kw以下のバイオガス(主に糞尿)発電装置が7,200ヵ所からあります。厄介者の糞尿から地産地消の電気を生み出しているのです。太陽が照らないと発電しない、風が吹かないと発電しない、不安定な発電よりも、規模は小さいけれど安定的に電気を作るバイオガス発電が脚光を浴びているのです。その進化形が、木質バイオマス発電と組み合わせた連邦農業省が推し進めているバイオエネルギー村プロジェクトです。

日本農業の再生を言うなら、農地に植物を植えましょう。日本の林業の再生を唱えるなら、山の木が循環する仕組みを作りましょう。キーワードは、地産地消のエレルギーです。