議会が強くなる方法

[ 2008年5月8日(木) ]

議会が強くなるには、議員が強くなることです。議員が強くなるには、勉強することです。知ったかぶりの職員から聞きかじったことを、自分が知っているように思わないことです。

7月に北海道の栗山町に会派で視察に行くことにしています。2006年に日本で初めて議会基本条例を制定したのが栗山町だからです。栗山町の議会基本条例は次のように述べています。「議会は、その持てる機能を十分に駆使して、自治体事務の立案、決定、執行、評価における論点、争点を広く町民に明らかにする責務を有している。自由かっ達な討議を通して、これらの論点、争点を発見、公開することは討論の広場である議会の第一の使命である」と。

どうして議会基本条例が制定されたのかですが、「選挙のとき意外は見えない議員・議会」という町民の批判があったから、この批判に真摯にかつ具体的に応えるためです。文章にすれば簡単なように見えますが、改革には痛みが伴います。改革を可能にしたのは、自己に厳しい責務を課す覚悟を議員が共有したからです。絶えざる資質の向上がなければ議員の職は務まらなくなるのが栗山方式と言われています。

議会や議員の行動スタイルが変わると、首長と職員も変化を余儀なくされます。つまり、議会が変われば自治体が変わる。議会が討論と情報の広場に変わることで、議員はもちろん、市民、首長、職員が変わることができるのです。考えてみれば、これは当たり前のことですよね。議員が虚構の権威の重荷から自らを解放したときに変化は可能となります。

(月刊ガバナンス4月号に載っていた神原勝先生の文章を無断で引用している部分がありますことを、お断りしておきます。より具体的にお知りになりたい皆さんは、ガバナンス23ページからを読んでみて下さい)

議会基本条例は、私一人や会派で言えば出来るというものではありません。住民の皆さんの「議会や議員は何をしているんだ」という声が大きくならないと実現は難しいものです。どうぞ、議会や議員が何をしているのか、興味を持って観察して、意見を出してください。それが、選挙結果にでれば、議会基本条例が早く制定できる環境になることは間違いありません。