理想と現実

[ 2010年8月21日(土) ]

昨日の障害者施設の視察を通じて感じたことは、「理想と現実」のギャップである。自立支援法に移行するように行政は促すが、より良いサービスを提供することに本当になるのかと言うと、決してそうではない現実が垣間見える。

高齢者の介護施設に対する介護手当てに比べると3割減が障害者施設だそうです。どうしてこの差が発生しているのか、それをこれまで許していることが大いに問題です。そこで時の厚労省は、介護保険に一本化することを決意したのです。障害者を6等級で区分するということは、高齢者の介護度と同じ考え方です。介護保険の導入時に私達は反対しましたが、政府は押し切って導入しました。

その結果は、措置費時代に比べるとはるかに高額の介護保険料が発生したのです。過剰サービス合戦が事業者間で行われ、客引き合戦の様相も呈しました。いつの間にか、介護予防という言葉も消えてしまったのではないでしょうか。日本の福祉は選挙が決めると昔から言われていますが、全くその通りです。選挙権を行使できる高齢者は格好の標的となり、もの言わぬ投票行為もままならぬ障害者は蚊帳の外です。

障害者には自立という言葉で作業を押し付けます。高齢者施設で内職をしているお年寄りがいますか。趣味の書を書いたり、絵を描いたりすることはあっても、収入を得る作業をする人は見たことがありません。自分の意志に関係なく障害を持って生れたもの、あるいは交通事故等で障害を持った方などは、国が責任を持ってケアーしないで誰がするのですか。

少し興奮して書いたので、何が言いたいのかボケてしまいましたが、人の体の状態を点数化することは止めて欲しいと言いたいのです。特にもの言えぬ障害者の内なる叫びをあなた達は聞くことができますか、理解することが出来ますかと言いたい。