日曜日は丹波漆の視察

[ 2022年5月25日(水) ]

これまで何度か書いている「漆」ですが、29日には丹波漆の視察に行ってきます。バッファゾーンの整備をしてその後の管理をどうしようかと悩んでいましたが、地域で管理組合を立ち上げて「漆」の植栽を本格的に始めることになりました。

最初は有害鳥獣対策から始まった取組ですが、電気牧柵は設置も大変だけど維持管理がもっと大変ということから、周辺の山の木を伐ってバッファゾーン(緩衝帯)を整備しました。木を伐った当初は山もキレイで、有害鳥獣も隠れるところがなくなり被害もありませんでしたが、3年目を迎えた今年辺りから一部の山でイノシシやシカが出没し始めました。

そんなことは想定内だったのですが、山に何を植えるかで協議を重ねていたのです。いきついた先は、漆と楓ということになりました。先輩の種苗会社に相談したり、漆の経験者に相談したり、赤磐市に視察に行ったりして、「漆」でやってみようと腹が決まりました。そして、今から20年前くらいから漆の再生に取り組む「丹波漆」の活動を知ることとなりました。

かつては、「丹波漆」として名をはせた一大産地だったそうですが、昭和40年代には輸入品におされ、途絶えかけたそうです。漆は独特で、漆の木を育てる人と漆を掻いて樹液を集める人の分業で成り立っていたそうで、ただ植えれば良いというものではなく、漆掻きの技術により漆の樹液の量が変動するという不思議な世界があります。

そして、最大の難関というか途絶えかけた大きな理由の一つに、漆は植えて10年間程度は漆掻きはできないし、20年程度経った漆はその役目を終えるということにあります。ですから私たちは、漆の苗木を植えて育てるということを連続してくり返すことで、漆の里を目指します。息の長い構想であり、私が10年後に漆掻きができるかどうかは分かりませんが、夢を追いかけます。