今日は漆の勉強

[ 2022年2月10日(木) ]

獣害対策で伐採した山のバッファゾーンに漆を植える様に計画しています。これまでも漆のことをブログに時々書いていますが、漆の育て方について書かれた本が殆どなく、皆さん手探り状態で育林されているみたいです。

今朝、私の先輩から電話があり、「大昔に買った本の中にウルシのことが書かれているから、読んでみなさい」と言うではありませんか。直ぐに先輩を訪ねて本を見せていただいたのですが、確かに岐阜県飛騨地方と茨城県久慈郡のウルシ栽培のことがかなり詳しく書かれていました。共に漆の器(漆塗り)が盛んであった地域です。

国産漆は今は殆ど生産されておらず、漆の使用量の僅か5%程度が国産だと言われています。残る95%は中国から入ってきているみたいです。漆器は7000年前の中国が最古と言われていたのですが、北海道函館市で漆を使った約9000年前の副葬品が発見され、これが世界最古のものと言われています。漆は日本が世界に誇る伝統文化であることが証明されたことになります。

と書きましたが、現実は日本製の漆は殆どない訳ですから文化庁や宮内庁などが本気で、「漆を栽培して下さい」と林野庁などにお願いしています。現在の日本の漆の約8割は岩手県産が占めている状況ですが、絶対量はありません。昭和40年代から増産の掛け声は出てきたのですが、漆の木の栽培と漆掻きが分業であったこともあり、産地が消滅してしまっていたのです。

今日も先輩と話していたら、「林くん、えらいことを思いついたのう」と言われるので、「奥が深いというか、分からないことばかりです」と2人で笑いました。彼の専門は花ですが、本のタイトルは、「山村を活かすデザイン集」サブタイトルが【地域林業特産の活用】ですので、山で栽培できる品目を研究されていたのではと想像します。