人口問題を考える(地域包括ケア)

[ 2021年7月29日(木) ]

私たちの会派ではこれまで地域包括ケアの先進事例を求めて全国各地に視察研修に行かせていただきました。そして、執行機関に対して各種提案(政策提言)を行ってきましたが、残念ながら、「庄原でもやってみましょう」とはなっていません。

千葉県柏市、東京都武蔵野市、富山県富山市、福井県名田庄、岡山県高梁市は、それぞれの地域にマッチしたやり方で地域包括ケアを運営されています。地域包括ケアシステムとは、住まい・医療・介護・予防・生活支援を一体的に提供することにより、重度な要介護状態となっても住み慣れた地域で自分らしい暮らしを人生の最後まで続けることができるようにすることをいいます。

庄原市のお手本としてお勧めは、福井県名田庄診療所と岡山県高梁市川上診療所です。紙面の関係で詳細は割愛させていただきますが、名田庄診療所の中村医師川上診療所の菅原医師は、「医療・福祉」をまちづくりの中心に据えなければならないという明確なビジョンを持っておられ、行政と切磋琢磨しながら日々活動されています。

中村医師、菅原医師とは複数回に亘り腹を割って、医療・福祉について議論してきています。執行機関は直ぐに、「小さな自治体の診療所の事例ですから」と一蹴するでしょうが、両医師は全国区で講演されており、名田庄方式、川上方式として有名です。今回紹介した5市町は、在宅介護、看取り等の取り組みも素晴らしい成果をあげておられます。

真似ただけでは庄原市には展開できないだろうと思われるかも知れませんが、西城市民病院の包括ケアの取り組みは、西城方式として広島県内では知られています。西城病院が最初に研修に行かれたのは、福井県名田庄診療所だったそうです。県下ワースト1の27無医地区を抱える庄原市こそ直ぐにでも取り組む具体的政策は地域包括ケアと考えます。

安心して暮らせる庄原市の住民で良かったと思える、医療・福祉のまちづくりをしなければなりません。そうでないと、住民は住みやすいと感じる場所に移動していきます。