今度は芸備線

[ 2021年6月9日(水) ]

今朝の中国新聞の一面をご覧になりましたか?「いよいよきたか」と思ったのは私だけではないでしょう。コロナ禍でJR西日本の収益源である新幹線の売上ががた減りとなったことで、いよいよ芸備線が重荷になってきたみたいです。

私は三次高校でしたので、備後庄原駅・八次駅間を汽車通学していました。今でも電車は走っていませんが、当時は蒸気機関車でした。乗客の殆どは、三次高校、三次工業高校、日彰館高校の生徒たちで、工業の生徒は塩町で下車し、日彰館の生徒は塩町で福塩線に乗り換えます。ですから、塩町駅は結節点として賑わっていました。

書きながら思い出しているのですが、当時は国鉄でした。同級生のお父さんが国鉄マンだったので、顔パスで三次操車場の中の食堂でご飯を食べたりしていました。先程書いた、塩町駅前にはお店があり、待ち時間にパンを買って食べたり、冬にはおでんを食べたりしていました。そうそう、八次駅の近くにラーメン屋(中華)があったな。

結論から言うと、芸備線が廃れた原因は自家用車が増えたことにあります。田舎の公共交通は自家用車だと元広島県立大学の德野教授がおっしゃっていますが、大量輸送交通である鉄道と自家用車は棲み分けないと共存は難しいですね。どうして芸備線を存続させたいのか、どうすれば存続できるのか、沿線自治体の考えを聞かせてくれというJRの言い分も分かります。

私の友人である藤谷則夫さん(広島経済大学教授)のゼミ生たちが、「芸備線を活用した庄原駅周辺 地域活性化調査」を20年12月19日に発表しましたが、目玉は、列車を高速化して広島~備後庄原間を1時間36分でむすぶ快速「備北ライナー」の運行があります。これはゼミ生が考えた実現可能なアイデアです。勿論、庄原市にも提言しています。

問題は、費用対効果ですが、先進事例としてJR姫新線輸送改善事業が紹介されています。沿線自治体が協力しないとできない事業ではありますが、広島県が主導すればできる事業だと私は思います。「できない」を「できる」に変えていきましょう。