「凡事徹底」

[ 2020年8月11日(火) ]

久々に、鍵山秀三郎先生の講演録「凡事徹底」を読ませていただきました。これまで何度も鍵山先生の講演を聞いていますが、「凡事徹底」はあまりにも有名な先生がモデルであろうと言われている四文字熟語です。

当たり前のことを誰もがやらない程、徹底的に行うことを「凡事徹底」と鍵山先生は言われていますが、それが先生の場合はトイレ掃除であった訳です。私が蘊蓄を述べても真意は伝わらないでしょうが、鍵山先生と何度も中国のトイレ掃除にご一緒した時にお聞きしたこと、トイレ掃除の姿勢等から私の感ずる、鍵山流「凡事徹底」を少しお話してみたいと思います。

私が鍵山先生を知ったのは今から25年前、友人から貰った1冊の本、「日々これ掃除」でした。「イエローハット」の創業者として既に業界では有名な方でしたが、徹底した掃除を日々実践されていました。本を読んで感動した私はコツコツと会社の車の洗車とトイレの掃除を始めました。そして、あるご縁が生まれました。「広島掃除に学ぶ会」の井辻会長との運命的出会いです。

そうこうしていると、「中国掃除に学ぶ会」に井辻会長、鍵山先生とご一緒する様になっていきました。中国での私たちの役割は、裏方です。日本から掃除道具をカバンに入れて持って行き、トイレ掃除が終わるとホテルの浴室で道具を洗って干すのです。そのご褒美が、鍵山先生とビールを飲みながら先生のお考えを聞かせていただくことだったのです。

ある時、広島空港で偶然に一緒になったのですが、「林さん、青島ビールでも飲みますか」と自らビールを購入されて私に下さいました。そして、羽田空港に着いたのですが、「林さんの行き先はどこですか」と聞かれ、電車で私を目的の駅まで連れて行って下さいました。東証一部上場企業の社長でありながら秘書は同行されていませんでした。

これが鍵山先生の真骨頂なんです。つまり、「人に喜んでもらう」ことが一番なんです。東広島市にある広島少年院での出来事はその最たるものでした。以前のブログにも書いたことがあると思いますが、先生は少年たちに話しながら涙を流されたのです。