草刈り問題

[ 2019年10月9日(水) ]

昨日の獣害問題も元をたどれば草刈りに行きつきます。私が子供のころは、どの家でも和牛を飼っていましたので、山草や畔草は競って刈って持ち帰っていました。ですから、山の中も田圃の畔も本当に見事なほどきれいに保たれていたものです。

山草は牛の寝床になり堆肥となり、畔草は牛の餌になっていました。草が生えない時期は稲わらを牛舎に敷いたり、カッターで切ってふすまを混ぜて餌として与えます。ふすまは購入しますが、その他は全て自然循環から手に入れたものばかりでした。甘藷やカブなども小さく刻んでやっていましたね。これらは子供の仕事でした。

当時は、イノシシもシカも全くいませんでしたし、山の中で見かける動物は、野ウサギやキツネくらいだったと思います。たまにイタチが悪いことをしたりしていましたね。亡くなった祖母の弟が鉄砲を撃っていましたので、冬場にイノシシの肉や野ウサギの肉を貰って食べることがありましたが、本当に貴重品でした。それと、卵を産まなくなった鶏も胃袋に収まっていました。

話がそれてしまいましたが、今の様な荒れた田圃や山は皆無でしたね。里山の木は燃料ですし、落ちている枝などを集めるのは子供の仕事でしたから、裸足で山の中を歩けるほどでした。獣と住み分けができていましたから、里に出てということはなかったですね。ということで、農林業の衰退により草刈りをしなくなったけど、景観の観点からと獣害対策から草刈りをしなければならなくなっている現実があります。

農文協の雑誌に、これからはリモコン式草刈り機の時代かも知れないという記事がありましたが、凄い勢いで普及すると思います。デンマーク製の機械ですが、これなら里山の下草刈りにも使えそうです。