― 庄原市政や日々の出来事に関する事を書いています
[ 2019年3月7日(木) ]
以前のブログで講師の名前を明らかにしていませんでしたが、森田洋之さんという、元夕張市立診療所で所長をされていた医師の方です。現在は鹿児島市にお住まいで、地域医療の研究や講演活動を積極的に行われています。
ことの起こりは、2007年、夕張は財政再建団体へ転落し、市内で171床の市立総合病院が閉鎖され、19床の市立診療所と3人の開業医だけになったことです。当時彼は、宮崎市内で医師として働いていたのですが、在宅医療を勉強したかったこともあり、夕張市立診療所に勤務する村上医師への憧れもあり、家族を連れて夕張にやってきたのです。
そこで彼が目にしたのは、これまで疑問に思っていた医療と夕張で提供されている医療は根本的に違うものだったということです。総合病院が無くなったことで、病人は増え、死亡する人も増えるのでないかと誰もが思いがちですが、データを分析すると、死亡率は横ばいで、死因は肺炎が減り、老衰が目立つようになっていました。
自宅や施設での看取りが増えた結果、救急車の出動回数が半減し、医療費の大半を占める診療費も減っていました。夕張市の高齢者の半数は独居ですが、最期まで自宅で過ごす人は多いのです。介護環境が整えば、住み慣れた家で自然に死を受けとめていくことが一番良いと、市民も医師も気づいたのです。
心に響いた森田医師の言葉:人は100%死ぬ。自分はどんな最期を迎えたいか。
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