無一物中無尽蔵

[ 2016年7月5日(火) ]

バングラデシュのテロ事件は国際的な格差に対する報復だったのかも知れないと感じる。宗教的な背景も指摘されているが、犯行を企てた若者は高学歴であり裕福な家庭に育ったと報道されている。

戦争もそうだが、暴力に訴えても正当性は証明できない。日本人を標的としていたと報道があるが、バングラデシュを支援するために行っていた人たちだと知っていながら、何故と言わざるを得ない。それも周到に計画されていたというから驚きである。今回のテロに関して日本の危機管理はどうなのかという議論もあるが、私には答えがみつからない。

世界の大きな歪の中でテロが頻発していると認識しているが、秩序という言葉が機能しない世界に傾いて行っているのだろうか。崇高な理想を掲げてEUが結束している中で英国がEU離脱を国民投票で決めたことも大英帝国という覇権主義に逆戻りという力が作用したものと思える。この世の中は、勝つか負けるかでしか答えが出ないのだろうか。

一燈園の創始者である西田天香さん92歳の時、「物の集まらざるは恥なり 集めて己のものとするも亦はぢなり」としたためられています。また、「勢いで勝ったものは勢いで敗れる」とも残されています。庄原が生んだ文豪 倉田百三は天香さんに憧れ一燈園に通い、「出家とその弟子」を著しています。