少し長文になります

[ 2013年10月14日(月) ]

「らくださん」という読者から、議会の議決責任ということを問われましたので少し長文になりますが書かせてもらいたいと思います。その元は、ジュオン問題からの問いであると私は判断していますので、その根っこから書くことにしましょう。

私は皆さんに知って欲しいことは、極端な言い方をしますが、「執行者の執行権は絶大である」ということです。議会は合議体ですが、役所ではトップが「〇〇をするぞ!」と言えば、どんなにずさんな事業であろうと部下が必死になって事業遂行に動くのです。特に今回の事件は、国と庄原市だけが関わった特異な事業だったのでです。ですから、広島県は一切関わっていなかったのです。

そもそも、林野庁の補助事業申請に県に出向いてところ、「こんなデタラメな計画ではダメ」と一蹴されているのです。ところが、農水省にバイオマス・ニッポンという事業が有り、急げば何とかなるのではとジュオンと必死に動き始めたのです。恐らく、専門機関にも相談することなく、ジュオン主導であったことは容易に想像できます。何と、このデタラメな事業が認可されたから不思議です。

この時に、議会議決がありました。誰の目にもデタラメと分かる事業を、首長は「頼むからやらせてくれ」「トンネル補助だから大丈夫」と繰り返すばかりでした。書けばきりがありませんが、執行者側の多数派工作に敗れ、賛成多数で事業執行が決定されたのです。その後はご存じの通り(破綻して分かった、事業計画の数度の変更)、いくら議会から報告を求めても、「大丈夫」の繰り返しばかりでした。

結局、製品も作れずに破綻してしまいました。一度動き始めた事業は国も認可した面子がありますから、「何としても事業遂行」にこだわります。最初のエタノールから半年でリグニン製造に移り、インク製造も考え、木粉でボード製造も考え、最終的に木粉でバイオプラスチックとなった訳ですが、自前の技術はゼロだったのです。全て、他社からの仕入れだったのです。

これらはNHK報道後にやっと分かったというのが事実です。議会は何をしていたと言われれば、「議会で事業の経過報告を求め続けていた」としか言いようがありません。これも逃げ口上となるかも知れませんが、既に書きましたが、広島県が関与していなかったことが理解できません。バイオマスニッポンの事業で成功した事例は皆無と言う程ですから、何故、国と市町だったのか・・・

この事業を今になってでは遅すぎますが、「理念が間違っていた」のです。山のことを知らない、木の特性を知らない執行者が騙されるままに動いただけのことです。少し冷静になって考えればわかることばかりです。庄原市の84%は森林ということになっていますが、どうしてここまで荒廃したのか、その原因を探れば、絶対にこの事業には手を出せなかったはずです。

話しは突然に変わりますが、土佐の森・救援隊がどうして成功しているのか。自伐林家では生計が立てられないと言われていたのを彼らは覆したのです。詳しくは述べませんが、コツコツと自分たちの仕組みを整えていったのです。簡易架線による集材であったり、木の駅構想であったり、振興券の導入であったりと、知恵と努力で成功したのです。

庄原市の場合は、自分たちでは一切汗をかかず、他人任せで、机上の空論に執着した結果が今の状態です。そのデタラメ事業を継続するなどという暴挙とも思えることを庄原市は行おうとしているのです。補助金を返還して速やかに事業から完全撤退すべきです。事業性があるという事業者であれば、自前の資金で事業を起こすのが筋というものです。

私のアイデアというか、既に動き始めているものですが、お隣の神石高原町に1000kwのチップ発電所をつくろうとしています。場所は神龍湖の近くを検討しています。固定価での売電と地産地消の電気と言えます。まず手始めに、人工林の3割に上る荒廃林を皆伐します。陽があたらない草も生えていない、災害の危険性が高い荒廃林を皆伐して広葉樹を植林しいます。

広葉樹は40年程度で伐期を迎えますので、木が循環することになります。つまり、1月に10ha程度の山の木を伐り出してチップ化してボイラーで燃やしタービンを回して発電するのです。山元で1t6000円で材を仕入れることを想定しており、木の駅構想と連動させます。木を伐り出して沿岸部の発電所に材を運ぶだけでは一部の限られた業者だけが儲かる仕組みです。

私は山の中に発電所をつくることで、70名から80名の雇用が生まれると試算しています。そうそう、40年間で循環するのに必要な面積は、4800haです。庄原市の針葉樹の人工林面積は、43,500haですから、荒廃林3割とすれば、13,050haとなります。その他に、6万haの広葉樹林も庄原市にはあります。各地に自前のチップ発電所をつくれば、地産地消の電気と働く場が現れます。

どうして神石高原町なのかですが、神石の町長は元神石森林組合長ですから、山のプロです。彼は、私たちのグループの提案に対して、「可能性を探ってくれ」とゴーサインを出されましたのです。近い将来、もっと具体的な事業計画が出てくると思いますが、当然、庄原市とも連携した取り組みにしていきます。だから、発電所の候補地が神龍湖の近くなのです。

排熱を活用したハウス栽培であったり、観光の目玉施設にもなり得ると考えています。水力による製材所、かおが粉によるペレット製造も可能性が出てきます。そんな、人様から見れば「ほら吹き」と思える様なことを本気で実現しようとしています。不可能を可能にするのが政治だと私の先輩は私に言いました。少し長くなりましたが、私の考えを書かせていただきました。

追加です!最下段の資料室に10月10日から11日に調査・研修に伺った内容の市議会用の報告書をアップしましたので、ご覧ください。