昔からあった、過疎?

[ 2008年5月24日(土) ]

過疎は今に始まったことではないと私は思います。私が暮らす「平林(ひらばやし)」という17戸の集落は、かつて25戸からあったのではと思います。家の戸数が減るだけなら、どこでも過疎は進行中です。

昔はそれほど困ったということの認識がなかったから、あえて「過疎」という言葉を使う必要もなかったのではないでしょうか。4キロ5キロを歩くのは当たり前の時代でした。私の祖母などは数十キロを徒歩で実家に里帰りしていました。子供の私も一緒に歩いて行ったことを記憶しています。

昔は、農業がこの地方の主要産業でしたから、春から秋のシーズンが終わると山に入ったりして薪をつくったり、炭を焼いて生計を立てていたのです。牛も飼っていました。ほぼ、自給自足という生活様式です。米がありますから、生きていくことに問題はありません。味噌も醤油も自家製でした。鶏を飼っており、卵を産まなくなると絞めてお腹に入れていました。

でも、こんな生活が嫌だという人はいませんでした。誰もがそうだったからです。しかし、ある時期から日本全体が変わり始めたのです。テレビの普及・自動車の登場・産業構造の変化によって、日本列島が金太郎飴と化したのです。考える必要はありません。戦後復興で、強い日本に生まれ変わっていったのです。消費は美徳だなどと、これまでの質素倹約とはまるで逆の生活を謳歌し始めたのです。

時代の最先端をいっている旧農村部の過疎化。僅か50年足らずで滅びる文化しか持っていなかったのでしょうか。私はそうは思いません。正面から正々堂々と生きる場を残します。過疎じゃない、限界でもない、私たちの「ふるさと」です。