自分に向く欲望

[ 2011年8月24日(水) ]

鍵山相談役の「正しく生きる」を読んでいます。その中に、「欲望それ自体は悪いことではない」という小文があり、欲望が世の中の成長の原動力であったと書かれています。ただし、絶えず周囲を考えた上でのことであると。

過去形で書かれているところが残念なのですが、世の中を良くしたいというのも欲望なんです。広辞苑によると、「欲望」とは、「不足を感じてこれを満たそうと望む心」とあります。私のブログで物議を醸している問題ですが、対象が自分個人であるから問題になっているのではと思います。

一灯園の創始者である西田天香さんは、無所有の世界を目指しておられました。「無一物中無尽蔵」という言葉が有名ですが、正に欲望のない世界を天香さんは捜し求めておられたのです。自ら生きるのではなく、生かされて生きるという世界です。私が、私でないと、私だったらの世界ではなく、「ありがとうございます」の世界です。

東城のまちの中が壊れるようなことをごり押ししては駄目です。みんなの欲望が渦になって押し寄せているのではないでしょうか。一灯園の日めくりに「勢いで勝ったものは勢いで敗れる」というのがあります。また、「与えることを惜しまず 受けることを慎みたい」というのも。

とどめは、天香さん92歳の時に詠まれた、「物あつまらざるは恥なり 集めて己のものとするも亦はぢなり」。持ちかたです。