漆が動き始めました

[ 2023年2月8日(水) ]

告知を早くにしたので、「漆はどうなったの?」って思われている皆さんも多いと思いますが、圃場の造成工事が本日より始まりました。雪が降ったので予定よりもかなり遅れましたが、2月末には漆の苗木の植栽ができそうです。

漆の植栽の適期は、11月から2月と言われていますので、ギリギリと言えます。ただ、今年は寒いので何とかなると感じています。今回は200本植えるのですが、大きく穴を掘る必要もないので割と簡単だと考えています。問題は、鹿が苗木を食べることを防ぐための保護カバーの設置ではないかと思います。森林組合さんも経験がないみたいですから。

苗木は岩手県の漆苗の専門業者から仕入れるのですが、この業者さんは農文協の季刊地域52号に特集されていますので手許にある方はご覧下さい。彼は東京からのUターンでゼロから漆の苗づくりを始めたガッツマンです。何度かメールでやり取りさせていただいていますが、本気度が伝わってきます。

地域で漆を植えて、10年~12年後には漆の樹液がとれる様になればと考えています。先の長い話ですが、私たちは地域で夢を追いかけることにしました。これまで何度もブログに書いている通り、イノシシなどの有害鳥獣対策から山にバッファゾーンを設けたけれど、維持管理はどうしようかと思案の結果、漆に行きついたのです。

文化庁も寺社仏閣等の修繕には国産漆を使うようにと通達を出していますが、国内産の漆は一向に増える気配がありません。早くて10年からでないと樹液もとれない漆を植える人はそんなにはいないということです。その間の管理費用は全て生産者負担となります。だから、夢を追いかけると表現したのです。