地域医療を守るために

[ 2007年10月4日(木) ]

私は今、長野県にある「諏訪中央病院」の名誉院長である鎌田實先生のガバナンスへの投稿を読んでいるのですが、一貫して書かれていることは、地域医療のことであり、医療制度のことである。

「がんばらない」「あきらめない」をモットーに保健・医療・福祉が連携した「あたたかい医療」の体制をつくりあげてこられたのですが、医療制度改革によって「やさしさ」を失う医療の現場になってきていると警鐘を鳴らしておられます。財政対策を優先して、医療費削減を目指す制度改革で診療報酬を引き下げ、国民の負担が増え、「冷たい医療」がのさばり出したと書かれています。

後半部分に政治のことがこう書かれています。「政治の大きな役割は、僕たちが出した税金を違うところに動かすことだ。医療崩壊を起こさせないために、いらないダムや、あまり車が通らなそうな道路に使うお金を持ってきて、国民負担を増やさずに、医療にお金を振り向けてほしい。」

先生が往診にでかけたおばあちゃんに聞くと、100万円とかのお金を持っておられるそうです。「なんで使わないの」と聞くと、85歳のおばあちゃんは「やっぱり老後が心配だ」と言われたそうです。老後そのものなのに政府を信用していないことの裏返しと書かれていますが、これが政治の無策の表れでもあります。

地域医療を守る、言うは簡単です。現行の制度の中で模索しながらやるしかないのですから、今は踏ん張る時です。夕張医療センターでは、院内ケアつき集合住宅、保育所、コンビニ、喫茶店などを設け、高齢者を雇用することも検討しておられるそうです。

政治の力が試されている時代でもあります。