バイオマスタウン構想

[ 2022年4月21日(木) ]

滝口前市長が控訴、庄原市木山市長が控訴と、にぎやかになっていますが、そもそもは平成18年12月21日に「庄原市バイオマスタウン構想」を作成して国に提出し、農林水産省が平成19年1月31日に構想を発表したことが原点にあります。

庄原市の広大な市域の84%が豊富な森林資源であるというところに着目した滝口前市長が、平成19年3月8日にジュオンとの間で、「木質バイオマス関連事業の推進に関する協定」を締結し、協定に基づき木質バイオマス関連事業を実施することとしたのです。

そもそもバイオマスタウン構想というのは、平成18年3月31日「バイオマス・ニッポン総合戦略」を新たに閣議決定し、これに基づき地球温暖化の防止、循環型社会の形成、競争力のある新たな戦略的産業の育成、農山漁村の活性化の観点から、バイオマスの利活用を推進する諸施策を講じることとした国の一大プロジェクトといえます。

正に雨後の筍の如く、全国各地に「〇〇市バイオマス構想」が立ち上がりましたが、今となって考えると、準備期間も短く、専門家も少なく、誰のための構想だったのかと思えます。ですから、各地で興された事業の殆どが失敗しており、成功事例は本当に少ないのではと思います。ただ、事業計画を立てて事業を興し、成果物はできたけど売れなかったという失敗です。

庄原市の場合は、事業計画はずさんで、実現性は非常に乏しく、資金も持たずの企業でしたが、滝口前市長が先頭に立って自ら中国四国農政局に事業採択を直談判に行くなど、何としても事業を成功に導きたい一心であったことは認めますが、「理念は正しい」だけでは事業は成功しなかったのです。

それどころか、事業開始にもならなかった全国でも珍しい補助金返還命令で幕でした。私は判決内容を全て読ませていただきましたが、虚しさだけが残りました。もう、庄原市が控訴するなんて、「恥の上塗り」でしかありません。