水は制御できない

[ 2021年8月17日(火) ]

お盆の間も雨は降り続きました。私が住む地域は溜池の水で稲作をしていますので、1年を通して、山から出る水を受け溝という水路に集めて溜池に引き込んで水を溜めています。ですから、溜池と言うのです。

冬に雪が降らなかったり、雨が降らず水が溜まらない年もありますが、ここ近年はゲリラ豪雨で大量の水が溜池に流れ込む様になっています。私は今、水利組合の代表で溜池の維持管理の責任者ですから、大雨が降る時には水路の状況や溜池の水位の点検が業務となります。当然1人ではできないので、役員で分担しながら行っていますが、今年は大変です。

ときどき写真日記に載せている、山から流れでる大量の水をどう感じますか。こういう状況になってきたのはここ10年程の変化なんです。年々水の量は増える一方ですので、私たちの力では制御できなくなってしまいました。溜池が満水になると水を入れる必要はなくなりますが、山からの水は止めることはできません。問題はここにあります。

つまり、水だけなら水路に流せば支流に流れていきますが、土砂も一緒に山から流れ出ることが大問題なのです。今回の豪雨災害でも大量の土砂が山から流れ出たことが原因です。先人の知恵で、大きな溜池の近くには助池(すけいけ)というサブ溜池が複数個所に作られていますので水を分配させるのですが、ゲリラ豪雨にはお手上げです。

自然のダムである水田が耕作されなくなり、溜池の維持管理もされず、水路が塞がっていれば災害は必ず発生します。水利組合の役員で話し合っているのですが、この際、大雨が降っても溜池の水位が維持できる排水路の改修工事をするつもりです。そして、水路の維持管理のやり方も考える必要があります。