ある中国人のお店

[ 2007年9月4日(火) ]

私の中国人の友人が食料品を中心としたお店を広島市内でしています。今日は彼から中国人研修生(出稼ぎ労働者)の生活実態について教えてもらいました。

私が初めて彼のお店を訪ねた時、15円とかいう値札がついたザーサイがあったので、「何でこんなに安くするのか」と聞いたところ、「中国人にはこれでも高い」と言いました。私は最初、日本人を相手に中国製の食料品を扱うお店かと思っていたのですが、彼は純粋に貧しい中国人のために商品を安く販売するお店を作ったのです。仕入先を一から開拓しながらですから、大したものです。

その彼が今一番仕入れたいものは米だというのです。それも10キロ1000円から1500円程度と言いますから、通常の流通品では対処できません。話していく中で、「くず米」でも嬉しいというではありませんか。つまり、日本に来たばかりの研修生は、生活費(食料にかける)が大体1人1万円程度なんだそうです。2年3年と日本にいる研修生は、段々と給料が上る仕組みになっているのですが、来たばかりの人は大変なんだそうです。

私は直に知り合いの米屋に電話して、「くず米でも何でもいいから、徹底的に安い米を探してくれ」と頼みました。暫くして米屋の友人が「近頃は米を色で選別するので、色米(売れない米)ならありますよ」と言ってくれました。つい昔は、家族はこんな米を食べていたのですから、くず米どころか一等米です。彼がいくらで販売するのかは分かりませんが、中国の研修生が喜んで購入してくれるのでしょう。

彼の奥さんは働きに行っています。自分のお店ではいくら稼げるか分からないので、家賃分を他所の会社で働いて補てんするのだそうです。一昔前の日本のテレビドラマにもなりそうな夫婦です。古米でも構いませんから、安い米があれば分けてください。