議員特別研修

[ 2007年8月25日(土) ]

4泊5日の「議員特別研修」を終えて、昨夜8時過ぎに我家に帰ってきました。今回の研修は本当に有意義であったと思います。それはただ単に講義を聴くだけでなく、グループでの課題研究があったことで内容を深めることが出来たからです。

大きく括ると社会保障全般について勉強したのかなと思いますが、特に「生活保護制度」にスポットを当てることで、社会の仕組みがおぼろげながら見えてきた感じを受けました。それは、戦後の日本がたどってきた歴史を振り返ることでもありました。そして、私が強く感じたことは、現在の日本国憲法をいじっては駄目だということです。アメリカが押し付けた現憲法という言い方を政府与党などは言いますが、自分達に不都合なことがあるから憲法を変えようとしているとしか思えなくなりました。

生活保護制度も色々な矛盾を抱えていることは事実ですが、「憲法第25条すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。②国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない」と謳われていることが生活保護制度の精神であります。これはアメリカGHQの発想に社会党の意見が付け加えられてできたとも聞きました。

現在の日本国政府が抱えている一番の問題は、財政です。昭和48年に田中内閣が高齢者医療費の無料化に踏み切ったことが事の発端であったのかもしれません。医者の数が少ないから増やせと医学部の定員を増やすと、10年もすると増えすぎたから減らせとなる。医療費が高騰するので、あの手この手で抑制するように政策転換するなど、経験したことのない自転車操業状態が続いていったのです。気がついてみると、あっという間に高齢者社会になってきており、働く人が非常に少ない社会の到来が予想されることとなったのです。さあ、大変といのが現実です。

私は今回の研修で多くの厚生労働省のキャリアーの人たちの講義を受けたわけですが、彼らは自分達が日本を動かしているという自信というか自負を感じました。それはひょっとすると、政治家が抵抗勢力という見方もできるのかなと思ったりもした次第です。気になる財政ですが、やはり解決策は「消費財の引き上げ」しかありません。民主党が政権を取れないひとつの大きな要因は、官僚をバックにもっていないことで、政策が弱いことだそうです。

少し長めの日記になりましたが、医療制度にしても介護保険にしても運用するのは地方自治体ですから、裁判くらいする気持ちでやって欲しいと堤教授が言われましたが、それは例規集に頼るのではなく自分の頭で考えろと言われたのかなと想像します。そしてもうひとつ感じたことは、議員もしっかりしろということだったのではないでしょうか。末端の議員が活躍することで日本を変えていって欲しいというメッセージを感じました。

今回の勉強を9月の一般質問で試してみるつもりです。大いに政策論争をしてみたいものです。