買物難民

[ 2011年10月11日(火) ]

「買物難民」という本を読んでいます。副題が、「もうひとつの高齢者問題」となっています。これは決して田舎だけの問題ではなく、都市部であっては非常に加速度的に問題となっていっています。お店が消えて無くなっているのです。

豆腐1丁が買えない町が日本全国に増えていっているのです。車に乗れる私たちには想像もできないことが起きています。私の家内は隣の三次市の市街地の十日市町で生まれ育ちました。結婚して庄原市板橋町に暮らことが決まったときにお願いしたことがあります。「自動車の運転免許を取ってください」です。

その時にはまだ1キロ圏内には、食料品などを扱う店が3軒、酒とタバコを扱う店が2軒ありました。今は、0軒となっていますが。家内は結婚当初、「車で買物に行くの、田舎ね」なんて言っていましたが、現在の家内の実家の周りは、正にシャッター街となっています。足腰の弱った家内のお袋は、自分1人で買物に行くことは不可能です。

農協や生協が食料品等を配達してくれるサービスを展開していますが、あくまでも食材が中心です。そして、自分の目で見て触って確かめてという買物本来の一種の喜びを感じることはできません。北海道で成功した生協のショッピングセンターの例が新聞に載っていましたが、実はここも一度は閉店したお店だったのです。

問題解決には、公共交通機関の役割が非常に重要です。根本解決はできませんが、バスやタクシーの移動手段があるだけで、難民から脱出できます。今話題の、コンビニの移動販売車が隙間を埋めてくれるかも知れません。ネットの活用やボランティアの支援も有効です。要は、地域に住み続けることが大前提での議論です。