百姓シーズン始まる

[ 2023年3月4日(土) ]

明日は溜池に水を引き入れるための受け溝掃除です。先月1度、溝掃除をしてかなりの水量が池に入る様になったので今回は水路の周りの倒木の処理がメインとなります。しかし、ゲリラ豪雨の時などは逆に池に水を入れなくする作業もあり、自然を相手にした駆け引きが始まります。

今は飼料稲(WCS)が増えたことで水稲ほどは水を必要としませんが、それでも水がないと飼料稲も育ちません。昨年は水源が土砂で埋まってしまい、またその土砂が水路を覆ったために溜池に水が溜まらず、皆で協力しながら水管理をした苦い経験があります。地球温暖化が言われる様になって、ゲリラ豪雨や山の崩落など、経験がないことばかりです。

しかし、我々の様な農家が山の中の水路や田圃周りの水路を維持管理していることで大雨が降っても一気に下流域に水が流れないのです。また、田圃が調整池の役割をはたしているので、一種の天然ダムといえます。こんなことは昔は農業をする人には至極当り前(生業だから)だったのですが、兼業農家ばかりとなり、草刈と溝掃除が重荷になってきています。

ただ、中山間地域の直接支払制度多面的機能支払交付金が僅かながら手当されていますが、えっ!っと驚く程、少額です(パンフレットを読まれればお分かりだと思いますが、各種事業をしないと貰えません)。私たちの集落では、塵も積もれば山となるではありませんが、個人分配はせず、全額積立てています。そのお金で水路の維持管理費や今回の漆の里事業などに充当しています。

豪雨災害等で農業施設が被害を受けた時には各種補助金等がありますが、その間は作付けができないこともありますので、普段からの維持管理が重要となります。百姓シーズン開始の前にすべき作業は沢山ありますが、手始めが溝掃除です。