悩みは共通

[ 2019年9月17日(火) ]

自治医科大学主催の地域医療フォーラムに参加しましたが、想像以上に充実したフォーラムでした。参加者の多くは医療関係者で、私の班は7名だったのですが、大学の先生2名、医師1名、医学生1名、医療事務1名、一般参加1名でした。

指定講演を3名の先生が行われました。演題①は、「都市部とへき地を結ぶ循環型診療」は愛媛県の事例だったのですが、一度自分が赴任した診療所を行政との対立から閉院したのですが、自分で立ち上げた在宅医療専門クリニックから医師を日替わりで派遣し今では循環型地域医療の成功例として紹介される「たんぽぽ俵津診療所」となりました。

私は、この診療所のシステムを作り上げた永井康徳先生の分科会に参加し、班員7名で感じたことを纏める作業をしたのですが、医療現場にいる人たちは同じ悩みを抱えていることが分かりました。へき地医療を志す医師を目指しながら、1人抜け、2人抜けと、人材確保が難しい現実があります。だから、拠点は松山市に置き、へき地に週に1日か2日出張する方法を編み出したのです。

このことを可能にしたのはAIなどの進歩もありますが、永井先生の情熱です。今は、単身でへき地にいって患者と共に頑張るという時代ではないそうです。赤ひげ先生ではなく、だれもが無理なく交代でへき地医療を担う時代になってきていることを実感しました。最終的に病院で看取るのでなく自宅での看取りが復活してきています。住み慣れた我が家で。