地域医療の崩壊と再生

[ 2008年11月22日(土) ]

清渓セミナーで特に印象に残った「地域医療の崩壊と再生」について考えてみることにします。この問題は、日本の自治体病院が直面している、あるいは、すべての地域医療を担っている病院が抱えている大問題だと言えます。

猫の目医療行政、医療費の抑制ということで、自治体病院などは存亡の危機に立たされています。産婦人科や小児科は、医師は増加しているらしいのですが、総合病院からは消えていっています。劣悪な労働環境と医療(治療)を巡る訴訟がその原因でもあります。これは全世界的な傾向でもあるようですが、特に日本は危険な状況にあります。

産婦人科の医療訴訟に備えて保険をかけることになりますが、これも決め手ではありません。私は少子化の問題が産婦人科の問題でもあると思います。それは、あまりにも過保護にひとりの子供を産み育てる環境が発生してきているのではないでしょうか?子供をペット化していると言ってもいいのではないでしょうか。家族中で妊娠段階から超過保護にしているのではないでしょうか。

そして、子供に何か変化が起きると家族で小児科に押し掛けて、「この子は病気です」と言い続けるのです。地域医療の崩壊も、「●●さんの姿が見えないけど病気かね」という会話が病院の待合室で行われている現実。複数の診療科を渡り歩き、検査を要求する患者たち。いつから、こんな病院大好き人間が増えてきたのでしょうか。

私が子供のころは、風邪をひいても医者ではなく、暖かくして寝ることが一番でした。少々のけがはヨモギをもんでつけていました。これがいいということではありませんが、何かおかしいと思いませんか。都会に医師が集中して、都会がやがて高齢化社会と化す時代が来た時を想像してみてください。来年から医学部の学生の枠が増やされますが、彼らが医師となった時、地方の状況はどうなっているのか考えてみてください。今が問題なんです。医師も住民もお互いに我慢しましょう。むやみやたらに病院にいくことを控えましょう。過度の治療の要求も控えませんか。アメリカを見てください。国が滅びるということもあるのですよ。