追われたイノシシは

[ 2020年8月24日(月) ]

有害鳥獣対策で山の木を伐採してバッファゾーンを整備していますが、山の住処を追われたイノシシたちは隣の集落の山へと移動していきます。そして、隣の集落もバッファゾーンを整備すると、また隣の山へと移動します。

バッファゾーン整備がほぼ完了したある集落の人が言うには、行き場を失ったイノシシが次々に箱罠に入り、既に10頭捕獲したそうです。あのエリアで10頭ということは、まだまだ隠れているイノシシが相当数いるものと考えられますが、右往左往状態かも知れません。そして驚くべき事実も判明しました。夜中に県道を移動するイノシシの集団がいたそうです。

私たちの集落から始まったバッファゾーン整備ですが、その効果を認めた人たちが、「地域でバッファゾーンを整備しよう」となり、ドンドン広がっていっています。そうすると、今まで木に覆われていた山がその姿を現すと、自分たちが住んでいる場所がまるで別世界の様に感じられ、山にできた作業道を散歩する人たちもちらほら見受けられます。

ただ、これからの維持管理が問題です。牛を放牧したいから貸してくれという人や、果樹を栽培したらどうかという人、子供の遊び場を整備して欲しいという人など、多くのご提案を頂いていますが、山には木を植えるのが一番と考えいます。第一案は、漆の木です。日本漆はほぼ0%で、全て中国産といっても良い程です。

以前、山にヤギを放牧して草を食べて貰うという様なことをブログに書きましたが、そう簡単にはいかないみたいで各地で苦戦されているみたいです。仮に漆を植えたとして成長するまで15年程度はかかりますので、長期戦ではあります。何故、漆かというと、イノシシが嫌うからです。