自伐型林業

[ 2017年10月7日(土) ]

高知県に視察研修に行ってきました。自伐型林業を実践されている林家を3軒訪ねたのですが、あくせくしない余裕ある作業風景に、「これでいいのだろうか」と感じ、これまで追い求めていた林業経営とは根本的に「何かが違う」と感じました。

これまでの林業経営は、効率ばかりを追い求めるスタイルで、特に森林組合がその先頭に立っているイメージがありました。しかし、今回の視察で受けた講義で、売り上げの倍から補助金が入って何とか黒字という森林組合は、「異常」と思いませんかと言われました。確かに、何のための補助金だろうかと思わない自分がおかしいと気づきました。

グーグルアースで日本の山の現状を空から見せて頂きましたが、過間伐の山は一目瞭然で、「唖然」としました。山が魚の鱗の様に見えるのは、狭い間隔で作業道が入れられているからだったのです。作業道を作るには木を伐らなければならず、大型の高性能林業機械を使用するにはかなりの幅の作業道が必要となりますから、自然と過間伐となるのです。

更に、「高性能林業機械では、B材を中心とした施業となり、プロセッサーなどで傷がつくので、用材ではなく集成材やベニヤ板用の木材の伐り出しとなる」という説明に、「そう言われれば」と唸りました。これではA材なんて考え方は無いのだと理解しました。自伐型林業は、間伐しながら100年先、200年先を見据えた長伐期施業が基本みたいです。